強面お巡りさんはギャルを愛しすぎている
四章 ギャルと清楚とお巡りさんと

 高校一年生。十六歳。梅雨。新しい制服にようやく着慣れてきたのに夏服へと変わった。服は変われど、私の心にできたぽっかりと穴の空いたような孤独感までは変わらなかった。
 別に家族と不仲とかそういうわけではない。
 家はわりと裕福な方で、父も母も外資系の会社に勤め一年のほとんどを海外で過ごしていた。私たち姉妹を残して。
 二人とも仕事人間ではあったが、小学生の頃までは誕生日や学校行事には一時帰国をしてくれていた。本当にそれだけで嬉しかった。
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