淋れた魔法
言い訳できなかった放課後



おれが毎日苛々していることに、ゆり先輩は、たぶんだけど気づいてる。

気づいていて、それでも、本気で捉えてはくれない。


「きみっていつも中途半端だね」


はあ?って思った。

中途半端にして何からも逃げまわってんのはどっちだよって。


だけどきっとアイツならおれと違って

「逃げてもいいからそこでまた何かを見つけろ」って、しれっとかっこつけて言うんだろ。


そうやって10年の差を苛々の言い訳にしてる。


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