隣の席の一条くん。
図書室で
「花宮さん。そこは、こうしたほうがわかりやすく………って、聞いてる?」


わたしの顔を一条くんが覗き込む。

間近にきた一条くんの顔にドキッとして、とっさに後ろに引いてしまった。


「…聞いてる!聞いてる!」


とは言ってみたけど、本当のところは…あまり聞いていない。


そもそも、『あのあと』で勉強に集中しろと言うほうが難しい。


『島田さんとしゃべってるんだろうなとは思ったけど…。そんなに長くなるような話?』
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