これを愛というなら~SS集~
☆利香×陽介☆

「チーフ!?私と付き合ってみませんか?」


誰もいない事務所で、私はずっと憧れていた浅尾チーフの背中に告げていた。


驚いた様子で振り向いたチーフは、突然だな、と苦笑いをして歩み寄ると、私の頭をゆっくり撫でてくれて。


「本気か?本気じゃないならやめとけ」


「本気じゃなければ……こんな事は言いません!」


仕事が出来る、部下からの信頼もある。

顔だって某モンスターアーティスト集団の事務所に居そうな、男らしいイケメン。

背も高くて、ガッチリした体型に長い手足。

まさに、私好みの理想の人。

憧れないなんて、無理。


何度かチーフと仕事終わりに飲みに行ったりしているうちに、寡黙だと思っていたのに明るく話してくれる気さくな一面と、笑窪が出来る笑顔に惚れていた。

だからこの日、3年越しの想いをぶつけてみたんだけど……


「……南の気持ちは嬉しい。俺はな……お前が可愛い。可愛くて仕方がない……こんなに女性を可愛いと思ったことはない……だが……」


そこまで言うと、チーフの腕の中にすっぽりと納められたかと思うとーー…、


俺自身、恋愛経験も少ない、と。

どういう風に愛していいのかもわからない、と。


「それでも構わないから……今以上に……可愛いくて手放せなるくらい好きにさせてくれるか?」


恋愛経験が少ないだとかどう愛していいのかわからないとか、どうでもいい。

私が好きなのはチーフなんだから。


はい!もちろんです!と、チーフの背中に腕を回して広い胸に頬を擦り寄せると、爽やかなチーフらしい香りを鼻いっぱいに吸い込んだんの。

私……この香り、好き。
< 1 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop