求められて、満たされた
7.確信
「奈生がこれからプロになるために活動していくにあたって、まず最初に音源を動画にしてネットにアップする必要があると思う。」

「動画をネットに?」

「そっ。奈生はせっかくいい歌歌うのにそれを発表する場が殆どないだろ?」

今日は俊介の部屋に来ていた。

私は夕方からバイトで、俊介は夕方からレコーディングがあるらしい。

だから、午前中に俊介の家で私の今後のことについて作戦のようなものを練っていた。

「ブッキングライブとかも勿論良いんだけどやっぱりそこだと奈生の歌を聴ける人は限られてくるだろ?ライブに100人来たとしたら100人しか聴けない。でも、ネットは見ようと思えば誰でも見れる。そういう場所にやっぱり音源をいくつか上げておくっていうのは大事だと思う。それに音源がネットにあれば、ライブとかで奈生の事を知ってくれた人もネットで音源を聴くことが出来るだろ?そしたらより、奈生の印象は強くなる。」

俊介の言う通りだ。

今のご時世、ネットでの拡散力はテレビを超えることもあるくらいに大きいものだ。

もちろん、誰にも見てもらえない可能性もあるが、期待値は未知数だ。

ネットで拡散されて有名になり、そこからデビューに繋がったアーティストも何人も居る。

ネットに投稿される音楽にはサイトやアプリによっては一定数のファンも存在する。

「俺の知り合いのレコーディングスタジオ準備するし、音源のレコーディングも手伝うし、mixも俺が担当する。それで、何曲か録音して、ミュージックビデオも作れそうなら作ろう。映像は合った方が視聴者の目につきやすい。嫌か?」
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