禁忌は解禁される
颯天の覚悟
「颯天、ちょっといい?」
一颯が襖の外から声をかける。

「ん。いいよ!」
「ごめんね、仕事終わりで疲れてるのに……」
少し申し訳なさそうに、部屋に入ってくる一颯。
今日も遅くまで、部下達に連れられヤクザ絡みの仕事を見てきた颯天。

「ううん。姉ちゃんなら、大歓迎!」
ニコッと微笑んで、ソファーに促した。
「元気ね!全然疲れてないみたいに見える」
「まぁね!俺はまだ何もさせてもらえないし。見てるだけだから。物足りないくらい。
それより何?」

「明日、成人式でしょ?明日は颯天にとって、色んな意味で大事な日だから、今日…少しだけどお祝いしたくて……。
明日はそんな余裕ないだろうし。
これ、食べよ?」
一颯は、袋から取り出しテーブルに置いた。

「あ、プリン?」
「そ。ケーキはさすがにこの時間は重いから、プリンで。
これなら、颯天も好きでしょ?」
「うん!うまそー!」

「フフ…颯天、成人おめでとう!」
「ありがとう!いただきます!」
「フフ…可愛い。颯天」
微笑み、颯天を見上げる一颯。

「それ、やめない?もういい加減、やだ!」
「そ?だって、可愛いんだもん!でも…早いなぁ。颯天も大人なんだね…!」
「まぁね!もう……大人だよ」
「/////」
急に、颯天が男の顔になる。
一颯は思わずドキッとして俯いた。

「姉ちゃん?どうしたの?」
颯天が俯いた一颯の顔を、覗き込んだ。

「な、なんでもない////!
大丈━━━━━キャッ!?」
「ちょっ…なにやってんだよ!?
ちょっと待ってて!ティッシュ持ってくる!」

颯太や颯天は知らないが、一颯も颯天に特別な感情を抱いている。

急に顔が近づき、持っていたプリンを膝の上に落としたのだ。
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