禁忌は解禁される
颯天の告白
「姉ちゃん?ちょっといい?」
一颯の部屋の前で、襖ごしに颯天が声をかける。

「え?颯天?
いいよ~」
襖を開けて入ってきた、颯天。
何かを覚悟した顔だった。

「どうしたの?なんか…難しい顔してる……」
そう言って、頬に触れる一颯。
颯天はその小さな手を掴んだ。

「え?颯…天?」

「一颯」

「え……」

「好きだ」
真っ直ぐ一颯の目を見て、はっきりと言った颯天。

「え…?
颯天…何…言って…る…の?」

「姉ちゃん、俺は姉ちゃんが好きだよ。
ずっと前から。もちろん、一人の女として。
だから、俺…この世界で姉ちゃんと生きていきたい!」

「……何言ってんの…無理よ…私は颯天の姉だし…」
俯く、一颯。

「結婚とかできないだけだろ?別にいい。
それに裏の世界で生きていくんだから、禁忌なんて関係ない!
…………それに、姉ちゃん…
俺のこと好きだろ?」

「え?」
バッと颯天を見上げる、一颯。

「まさか、わからないとでも思ってたの?」
「え……?」



全て━━━━━━━
颯天は全て、わかっていてこの選択をしたのだ。


「確信があったから、高校卒業した時に覚悟を決めてたんだ」
「…………………じゃあ…ある人と幸せになってみせるって、私のこと?」
「そうだよ」

「そんな……。
私は無理よ……この世界は嫌なの!
それに私、お見合いするし」

「俺は認めないよ!
そんな見合い、壊してやる!」

「だったら、表の世界で一緒に━━━━━」
一颯はふと思った。
ここで颯天に血の繋がりを話せば、一緒に表で“普通”の生活ができるのではないかと。

「やだよ!
表の世界だったら、姉ちゃんと愛し合えない。
それこそ、変な偏見で見られるだろ!?
それに、もう今更無理。
この日の為にこの二年、必死にやってきたから」
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