だけど本当は、きみが最初で最後の恋
☆★




とりあえず引っ越しは完了して、今日は荷解き。

姫春と弥生が手伝いに来てくれた。県外なのにありがたいよね。


アイツは自分の荷解きがあるからって来なかった。白状なヤツだ。


あたしたちがやっと前進した日、姫春と弥生も一緒に花火を見に行っていたみたいで途中で会って4人で写真を撮った。

次にえこちゃんと会って写真を撮ってる最中に…なんであのふたり一緒にいたんだ?と我に返る。


そして問い詰めれば、なんだか前からお互い気になる存在だったらしい。

それって何、恋なの?恋?恋でしょ。違うの?
ってあたしはいろいろ詰めて聞きたいところだったんだけど、しばらくは慎重にいきたい姫春と基本的にアツくならないタイプの弥生たちは、ふたりのペースで進んでいった方がいいと思ってがんばって耐えたよ。


それにしてもこのふたり…本当に仲良いよなあ。気が合ってるというか。

さっきから夫婦かと思う息のぴったりさでほぼほぼ荷解きをやってくれて、今はお茶しながら片付けの時に見つけたアルバムを見てる。



「とーかちゃんと成くん、幼稚園からのお付き合いかと思ってたらもっと前から一緒に映ってる写真あるね」


あるページに収められたあかちゃんふたり。

その頃くらいだと成咲よりあたしのほうが可愛い。


「あ、それ、あたしも荷造りの時にそのアルバム見るまで知らなかったの。記憶になかったというか…なんか生まれた時の病院もママ同士の病室も同じだったんだって。あたしのほうが誕生日1か月早いけど、うちのママは入院がちょっと長かったから」

「へ~。すごい縁だねえ」


本当だよね。気色わるいくらいだ。エンガチョも効かないわけだよなあ。


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