片桐兄妹の言うことにゃ
月灯



公立白梅高等学校。
偏差値30そこそこ。馬鹿と不良とクズが集まる底辺高校。この街で起こる高校生のいざこざは大抵ここの生徒だと思われている。

燐は朝ごはんをもぐもぐと食べながらテレビを見ていた。

「んーああ、はい、わかった、わかりました」

藍が洗濯物を干しながら電話をしている。今日は洗濯日和だとお天気お姉さんが報せた。

確かに、嘲笑ってしまいそうになるほどの晴天だ。干し終えて、カゴを持って戻る。

「そういえば今日、円香来るって」
「夜?」
「そ。バイト終わりに」

携帯をポケットにしまい、藍は部屋を横切った。

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