ドライブスルー彼氏
明久くん
大谷さんと関係を続けて3ヶ月が経過していた。


今日の分を合わせて全部で90万円だ。


学生のあたしには果てしなく大きな金額。


今日は今月分を靖くんに渡しにいく日だった。


月に1回だけ、靖くんに会える日。


それ以外の日は靖くんはいろいろなバイトを掛け持ちしていて、忙しいのだ。


あたしは鏡で自分の姿を念入りにチェックした。


目の下のしつこいクマはコンシーラーで隠して、水色のさわやかなワンピースを選んだ。


夏はもうすぐそこまで来ているから、このくらいの格好でちょうどいい。


痩せて平坦になってしまった胸とおしりが寂しいけれど、こればかりは仕方がない。


準備を終えて外へ出ると、日差しの眩しさにめまいを感じて、塀に手を当てて立ち止まった。


最近大谷さんに合わせて夜にこっそり出かけることが多いから、今日は新鮮な気分だ。


どうにか歩き出して、靖くんとの待ち合わせ場所である近所の公園へ向かった。
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