「ん……」


 窓から差し込む光で目覚める朝。重たい瞼を擦りながら起きようとしたら、腰の辺りに違和感を感じて「ん?」と眉を顰めた。

 背中に感じる人肌のような温もり。

 私の腰に巻き付くガッチリした腕。

 耳元で聞こえる健やかな寝息に嫌な予感がしておそるおそる振り返ると、上半身裸の清瀬が目に飛び込んできてびっくりした。


「!?」


 な、なんで清瀬にバックハグされてるの私……っ!?


 とんでもない状況に頭の中は大パニック。必死で昨夜の記憶を辿り、何が起こっているのか整理していると。


「んん……」


 清瀬が身じろぎしながら私の肩に顔を埋めてきて、ビクッとする。

 ……う、嘘でしょ?

 耳元で聞こえる寝息に胸がドキドキして、異性に免疫のない私は石のように固まってしまう。

 てゆーか、なんで私もバスローブ一枚の格好で寝てるの?

 豪華なシャンデリアの天井に、部屋の大部分を埋めるキングサイズのベッド、全面ガラス窓でその下に広がる都会の街並みが一望出来るここは……そうだ! 清瀬が宿泊してるホテルのスイートルームだ!

 えっと確か……昨日は亘くんとリサさんと別れた後に、エレベーターの中で清瀬とバッタリ会って。

 それから、クタクタになるまでナイトプールで遊んで。

 ――あ。なんとなく思い出してきたわ。

 更衣室でメイド二人に体を洗われて着替えさせられた後、清瀬にお姫様抱っこされてこの部屋まで運ばれたんだった。