「え~、ほんとにほんとにうちの栞ちゃんと付き合ってないの?」

「ダディとしては複雑だけど、僕らもティーンエイジャーの頃から交際してマリッジしてるから、本当にデキてるなら反対しないよ? むしろ祝福しちゃうよ? 世界はみんなラブ&ピースだよ?」

「俺的にはガンガン責めてるんですけど、いんちょーがちっとも気付いてくれなくて……」


 うちの両親に詰め寄られ、残念そうな面持ちでため息をつく清瀬。

 キッチンで紅茶を淹れながらリビングソファで話し合う三人の会話を聞いていた私は、「三人とも変なこと言わないで!」と怒鳴り、紅茶入りのティーカップを乗せたトレーを両手に持って、テレビ前のローテーブルの上に運んだ。

 ガチャンッと怒りに任せて乱暴に置くと、


「ふふ。栞ちゃんてば照れちゃってか~わい♡」


 とお母さんに囃され、


「ムキになるってことは、言葉で否定してるけどやっぱり……!?」


 とお父さんが口に手を添えながらニタニタ笑い。


「近い内にいい報せを届けられるよう頑張ります」


 と清瀬まで謎の宣言し出して、ブチン。堪忍袋の緒が切れた。


「だから全員、いい加減にしなさいよっ!!」


 ――ダンッ、とテーブルの上に両手をついて、三人をギロッと睨み付ける。

 ブルブルと肩を震わせて鬼の形相を浮かべる私に、これ以上茶化すとまずいと思ったのか、全員明後日の方向を向いて私から目を逸らす。