これだから、先生はズルい。
手なんて振り返しません。
「で、あるからしてこの方程式を当てはめる訳だが」
退屈な5限目。
数学の先生が黒板に数式を書き綴る。
退屈だ、そう感じながらも黒板とノートを交互に見ては書き写した。
中間考査も近い。
一応、上の方の成績だから落とさないように勉強しているつもり。
…まあ、暇だから勉強するしかないんだけど。
「………」
ふと
かいだことのある匂い。