爆発したセクシャルマイノリティより愛をこめて

性別に違和感を感じた高校生

ただ、高校に入学したころ、僕の心に変化があった。

それは自分の性別に対する明確な違和感だった。

僕は同性しかいない高校に入学したのだが、なかなかその空気感に馴染むことができなかった。

今まで感じたことのない疎外感を感じた。

それと共に自分の築いてきた人格が激しく揺らいだ。

起こっている変化に耐えられなくて、どうしようもない不安感が襲う。

これが一番初めに現れた統合失調症の症状だった。

妄想から夜中に家を飛び出した。


そのときはケータイを持って行ったので、しばらくしてから父から連絡があり、車で迎えに来てくれた。

家に帰る前、駐車場に車を停めて車内で泣きながら話したことは、今でもとても印象に残っている。

僕は世界が急に変わっていっていると、父に話すと、「それは世界じゃなくて自分が変わっていっているんだよ」と諭してくれた。
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