窓からそよぐ風に、髪がふわりとなびく。



春の訪れを頬で感じて、うすく目を閉じながら……



今夜の夕飯はがっつりとかつ丼が食べたいなあ、なんて思っている私は、
高校1年、春宮アリス。



「おい、春宮さん、見てみろよ」



「くーっ。ホント、絵になるよな」



「お嬢様っていうのは、春宮さんみたいな人のことを言うんだろうな」



後ろの席から聞こえてくるひそひそ声。



しっかりと聞き耳を立てながら、なにも聞こえていないふりをして、小首をかしげて微笑んでみる。