むすんで、ひらいて、恋をして
「……莉生、なんか変だよ。どうしたの?」



「美味すぎて感動してるんだよ。こんなうまいクリームパン、初めて食った」



「でしょ、でしょーーー! 一度、莉生に食べさせてあげたかったんだー! ものすごく人気があって、午前中には売り切れちゃうんだよ。開店前から並んで、やっと買えたの!」



「……わざわざ並んで買ったのかよ」



「いつも莉生には、ご飯とかお弁当を作ってもらってるから。せめてものお礼!」



「……サンキュ」



やばい、グッとくる。



「じゃねっ」



くるりと背中を向けたアリスの腕を、とっさにつかんだ。



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