むすんで、ひらいて、恋をして

最悪で最高の出会い

お母さんが再婚することになり、同い年の義理の弟ができると聞かされたのは、中学を卒業した直後のこと。



高校を卒業するまでは苗字を変えないって聞かされていたし、お母さんが幸せになってくれるなら再婚には大賛成だったけど。



義理の弟なる水島莉生が、学校一、目立つ男だったのは誤算だった。



ど庶民を隠してお嬢様のフリをしているうえに、学校一目立つ男=水島莉生が義理の弟で、ひとつ屋根の下で同居中。



こんなことがみんなにバレたら、高校生活が秒で崩壊すること、間違えなし。



まさか、こんな綱渡りみたいな高校生活を送ることになるとは思わなかった。



「アリス、ぼけーっとしてどうした? すごいアホ面」



「うるさい」



眉を寄せて首をかしげる莉生を、じっと見つめる。



相変わらずのキレイな顔立ち。



長いまつげに、サラサラの黒髪、涼やかでいて甘い目元。



これじゃ、モテるのも仕方ない。



莉生のキレイな横顔に、ふと、莉生と初めて会った日のことを思い出す。



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