むすんで、ひらいて、恋をして
※※※※※※※



「はじめまして、春宮アリスです」
(うわっ、……この男、絶対に自分がモテることを自覚してる)




「はじめまして、水島莉生です」
(うっわー、猫っかぶりバレバレの女。めちゃくちゃ苦手)



「同じ年なんですよね」
(私の方が数週間早く生まれてるから、私が姉ですけどね)



「こんなキレイな人がお姉さんになるなんて驚きだな」
(まあ、性格はかなり悪そうだけど)



「そのうえ、同じ学校なんてご縁がありますね」
(あなたも、相当性格悪そうだけど)



「ホントに」
(俺に迷惑かけるようなこと、してくれるなよ)



「これから、どうぞよろしくお願いいたします」
(あなたこそ、慣れ慣れしくしないでよね)



※※※※※※※



にっこりと笑って微笑みあいながら、瞬時に目で会話をしたあの日のことは、忘れない。



どういうわけか、最初に会ったときから莉生とは以心伝心。



言葉にしなくても、考えていることが伝わった(おもに罵詈雑言だったけど)。



目で会話するってこういうことなんだって、びっくりしたんだっけ。


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