むすんで、ひらいて、恋をして
「いつまで一緒にいられるかわからないけど、いつかアリスに好きな奴ができて、そいつがアリスのことを世界一大事にしてくれるなら、それでいいって、俺は本気で思ってる」



「なるほど、深いね」



言いながら、上谷が強い瞳で俺をとらえる。



「……けどさ、莉生はホントにそれでいいわけ?」



「いいはずねえだろ。でも、なんつうか、仕方ないだろ。そのくらいアリスが大事なんだから」



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