むすんで、ひらいて、恋をして
アリスのおでこに手を当てると、パッとその手を払われた。



「触るなっ」



「お、俺のこと、意識しちゃった?」



アリスが俺のことを意識するとか、ありえないけど。



「するか、バカっ!」



「顔、真っ赤だけどな。って、アリス、マジで大丈夫?」



「なんでもないよっ……って、なにしてるの?」



「ん、これ着ておけば? 俺、ちょっと暑いし」



脱いだパーカーをアリスに羽織らせると、アリスがじっと固まっている。



「まだ寒い?」



ふるふると頭をふったアリスは、俺のパーカーにくるまれて、頬っぺたを真っ赤にしてて。


あー、……なんかもう、可愛いを通り越して、愛おしくてたまらない。



アリスのことを思わず抱きしめそうになって、慌てて立ち上がりキッチンに向かう。



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