むすんで、ひらいて、恋をして
教室に戻りながら、ぼんやりと莉生のことを考える。



『もし、莉生が弟じゃなかったら』



あゆみちゃんの言葉がぐるぐると頭のなかをまわる。



もし、莉生のお父さんと私のお母さんが結婚してなかったら、もちろん莉生は弟じゃなくなるわけで。



もし莉生が弟じゃなかったら、私はどうする?



急に頭のなかが忙しくなって、ふうっと短く息をはく。



莉生への気持ちをどうするか決める前に、ひとつだけ、確認しなきゃいけないことがある。



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