むすんで、ひらいて、恋をして
ゆっくりとお風呂に入り、お風呂上がりにから上がって麦茶を飲んでると、先にシャワー浴びた莉生が、まだ上半身裸でウロウロしている。



うー……。



せめて、Tシャツくらい着てほしい!



いくら弟だって、目のやり場に困るんだから!



「あのさ、莉生。上半身裸でうろうろしないで。せめてTシャツ着て!」



「お前こそ、薄着でちょろちょろしやがって。こっちの身にもなれ」



「は?」



莉生がブツブツと壁に向かって文句を言っている。



「莉生、私、こっちだけど。壁に向かって話しかけるのは、やめて。本気で怖い」



「うるせ、アリスが悪い!」



「は?」



時折、莉生ってば、言動が理解不能。



もう慣れたけど。



「それより、俺にもちょうだい」



「なにを?」



そう言って振り向いた瞬間、飲んでた麦茶を莉生に奪われた。



ごくごくと私の麦茶を飲んでる莉生の背中をたたく。



「ねえ、それ、私の麦茶!」



「俺が作ったんだから、俺の麦茶なんだよ」



「お水に麦茶のパック入れただけじゃん!」



手をのばしてコップを取り返そうとしたところで。



「うわっ!」



つるっとすべって、莉生の胸に顔をうずめる。



「おい、大丈夫か?」



莉生に支えられてゆっくりと顔をあげたものの。



視界を覆うのはなにも着てない莉生の……胸?。



「……う、うっつぎゃああああっ!」



は、は、は、裸!



「あっぶねえな」



莉生の片手に支えられて、絶叫する。



「もおおおっ! 早く、パジャマ着て~~~!」



「助けてやったのに、なんだよ、その態度は。つうか、こんなことで真っ赤になるなよ」



「うっさい! 黙れ!」



“こんなこと”じゃないよ、おおごとだよっ!



慌てて莉生からはなれて、ドキドキうるさい心臓の音を、深呼吸して全力でかき消す。



上半身裸とか、ほんと、やめてほしい‼



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