7歳の侯爵夫人

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ある日、目覚めたら、私は人妻になっていました。
眠る前まで王太子殿下の婚約者だったはずなのに、一体どういうことなのでしょう。

昨日私は、フィリップ王太子殿下にエスコートされ、国王陛下の即位10周年を祝う舞踏会に参加いたしました。
殿下の服装も自分のドレスも鮮明に覚えているし、殿下とどんな会話をしたのかも覚えております。
それなのに、たった一晩眠っただけなのに、あの舞踏会からすでに4年近くの歳月が流れているというのです。
そしてその間に殿下との婚約が解消され、私は他の男性に嫁いでいるというのです。

一体、何の冗談なのでしょうか。
夢なら早く醒めて欲しいと思います。
だって、信じられるはずがないでしょう?
昨日まで、生涯お側にとお慕いしていた殿下と、もう二度と共に歩む未来を描けないなんて。

王家からの申し入れで幼い頃に決まった婚約ではありましたが、たしかに殿下と私は、信頼と愛情を育んできました。
それなのに殿下の隣に立つ日はもう未来永劫やって来ないなどと、どうして受け入れられましょう。

私は現実を受け入れらぬまま、毎日泣き暮らしました。
食事は喉を通らず、家族にさえ会おうと思えず、ただ、部屋に引きこもって泣いてばかりいたのです。
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