7歳の侯爵夫人

4

その日、コンスタンスはいつものように庭に出ては遊ばず、家の中をウロウロしていた。
今日あたり、そろそろオレリアンが訪ねて来る頃だからだ。
いつも家族はコンスタンスが遊んでいる間に勝手にオレリアンを帰してしまうから、今日は待っていようと思ったのだ。

案の定家族はさっきから彼女を庭に追い出そうとしているけど、「その手には乗らないわ」とばかりにコンスタンスはスルーしていた。
オレリアンが来たら会わせて欲しいといつも言っているのに、両親も兄も、使用人たちまでも全く聞いてくれないのだから。

そんなそわそわと落ち着きのない主人を、リアは胡乱な目で眺めていた。
先日、目を離した隙にコンスタンスがオレリアンと接触してしまったのは自分の落ち度だ。
まさかあの夫が妻の姿を見たくて庭の中にまで忍び込んでいたなんて、以前の2人の関係を知っているリアからしたら思いもよらなかったのだ。
あの一年余りの結婚生活において、オレリアンは全くコンスタンスに興味を持っていないように見えたから。
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