未来の種ーafter storyー
優は優しい side美衣子
37週目。正期産に入った。

いつも通り、大学病院へ検診に行く。
もう歩くのも大変。お腹ってこんなに膨れるものなんだ、としみじみ思う。おへその下はとっくの昔に見えなくなっている。
圧迫された胃が苦しい。赤ちゃんは遠慮なく蹴り付けて、膀胱を刺激してくるし、妊婦って大変だ。

「うーん…。」

「なに? 昇ちゃん、どうしたの?」

「いや…。」

そう言ったまま、ずっと超音波エコーのプローブを操作している。

「……何か問題?」

もう37週。あと少しなのに、何かあったらどうしよう…。

「ああ! 赤ちゃんには何も問題ない。
順調に育ってる。推定体重は2600グラム。
身長は47センチかな。
もう産まれても問題ないくらいに育ってるよ。赤ちゃんいつもよく動く?」

「うん。すっごく活発。
膀胱を蹴り付けられるから、しょっちゅうトイレに行きたくなるの。」
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