未来の種ーafter storyー
名付け、そして退院
子供が産まれた。
俺と美衣子の血を分けた子だ。

新生児室のガラス越しに初対面した息子は、思った以上に小さかった。
でも、俺達にとっては、大きな大きな命だ。

寝ているようだったけど、目を開けたらどんな顔なんだろう。

目は俺に似てる?
それとも美衣子?
髪の色は?

まだベタベタした感じで、そこまではわからなかった。

沐浴は俺がするからな。
オムツも頑張って替えるぞ。
母乳はあげられないけど、ミルクならあげられる。

目の前の息子に、俺はもう夢中だった。


短い対面の後、病院を後にした。
今日からしばらく俺は1人だ。
家に帰ったら美衣子はいないのか…。
寂しいな。

寮ではずっと1人だった。慣れているはずなのに、今はもう家に美衣子ないない生活は考えられない。

でも、今のうちにに2人を迎えられる環境を調えないと!

とりあえずは、報告を兼ねて実家に顔を出すけど、その前に電話だ。


「あ、母さん、産まれたよ!」

『優! 待ってたのよ〜。おめでとう!』

《お〜め〜でとう〜〜》

後ろから父の声も聞こえる。

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