もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません
「そのためには、山積みになっている問題を解決していただけなければなりませんね」
別の問題を思い出させられ、投げやりに返す。
「イーサンの好きにすればいい」
「でしたら、わたしくが婚約候補からおひとり選ばせていただいてよろしいですね」
「ああ、構わない」
「かしこまりました」
仰々しく頭を下げ、イーサンは退室していく。ひとり残されたエリックはカーティスにこぼす。
「自由になりたいものだ。お前もなりたいだろう?」
カーティスはエリックを仰ぎ見てから、フィッと顔を背けて丸くなった。