異世界で先生になりました~ちびっこに癒されているので聖女待遇なんて必要ありませんっ!~

ステータス

異世界に来て、三日目の朝。

エレオノーラさんの旦那様である、エドワードさん(侯爵様にもそう呼んで欲しいと言われた)には二日目の朝挨拶をして、すんなり受け入れてもらえた。

そんなので良いの?と思わなくもないが…。

そして、私は正式にリーナちゃんの家庭教師となることに決め、昨夜その旨を伝えていた。

皆さんとても喜んでくれて、ほっとする。

完全に諦めたわけではないけれど、還る方法がないのに、いつまでも居候するわけにはいかない。

それなら、仕事をするのが普通だ。

それに、王宮にいるらしい二人の聖女と私が、どんな関係にあるのか分からない。

巻き込まれただけなのか

それとも、私も聖女として喚ばれたのか

前者ならこのまま還る方法を探しながら、庶民として慎ましく暮らしていくつもりだ。

でも、後者なら…。

いや、そんな訳ないとは思うけどね。

特に魔法とか使える訳でもないし。

でも、ちょっと興味はあるのよね…。

うずっ

キョロキョロと周りに誰もいないことを確かめる。

さすがに、見られたら恥ずかしいからね。

「ええっと…この前読んだ小説の中では、何て言ってたっけ?ステータス?オープン?」

何かそんな感じの言葉だったはず!と口にしてみると、目の前に画面が現れた。

「…え?ちょ、はああ!?」



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和泉 瑠璃

癒しの聖女 Lv.3

HP:523//523

MP:1235//1235

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ちょっと待って。

落ち着こう。

見間違いかも、そんな一縷の望みを抱いて逸らした視線をそっと戻す。

……………

画面、ある。

「う、うそでしょ…!?」

私、魔法使った!?

いや、魔法なのかと言われると微妙だけど、現代日本では考えられない技が出来るようになっている。

いやいや、それもだけど、それよりももっと大事なことが書いてある。

"癒しの聖女"

って

何だそれーーーー!?
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