魔法使いは、恋の色に染まる
私が笑うと、カミルは私に目を移した。カミルは、私に近づくと優しくキスをする。

「……え……?」

「ごめん……」

カミルは私から離れると、リンゴみたいに真っ赤になって私から目を逸らした。

「……僕は、エミリーが好きなんだ……」

カミルが、小さな声で零した言葉。私は、それを聞こえないふりして「え?」と聞き返す。

「……な、何でも……」

私は恥ずかしそうにするカミルの唇に、自分の人差し指を当てた。

「ごめんね。聞こえてたよ……?『僕は、エミリーが好きなんだ』って、言ったんでしょ?」

「……っ!」

私はイタズラっ子のような笑みを浮かべると、手を離して「私もだよ」と言うとカミルにキスを落とした。
< 7 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop