今朝は早朝から秋山さんが車で迎えに来てくれて、朝飛をギャオレンジャーのもとへと連れて行ってくれた。

私が一緒に行かないことを渋るかと思ったけれど、あっさり『いってきます』といって出発した。

ギャオレンジャーに敗北するなんて、思ってもみなかった。

「……さてと。そろそろいきますか」

 今日は病院へ行く日。私は支度を整えて、玄関へと向かう。

するといきなりドアが開いた。ハウスキーパーさんは午後の約束だしまさか、泥棒?そう思い身構えた。けれど次の瞬間中に入ってきたのは雄飛で、ほっと胸をなでおろす。

「なんだ、雄飛か……って、帰ってこられないんじゃなかったの?」

 昨日はロケで福岡にいた雄飛。そのまま次の現場に移動するため今日は帰宅できないといっていたはずだ。

「まひるの顔が見たくて朝一の飛行機で帰ってきたんだ。すこし充電させて……」

 雄飛は私をぎゅっと抱きしめる。その腕にいつもの力はない。きっと疲れているんだろう。

「無理しなくていいのに……」

「無理なんてしてないさ。まひるに会えたら今日一日頑張ろうと思える。二人のためなら嫌な仕事も受けられる。まひると朝飛の存在って俺の原動力みたいなものなんだ」

「分かる。私も雄飛と朝飛のためなら何でもできる気がするもの」

「家族って、すごいな」

 雄飛はそういって腕の力を緩めると私の目を見つめて、いとおしむようなキスをくれる。

おそらく多くの女性たちが夢見るような彼との甘い時間を当たり前のように独占できるなんて、どれほど贅沢なのだろう。

「幸せ」

「俺も。もっとこうしていたいけど、まひるは今日病院だろ? 送ってく」

「いいの? 仕事間に合う?」

「そのまま向かえば間に合うよ」

 雄飛の言葉に甘えて、私は彼の車に乗り込む。

病院までは五分で着いてしまうけれど、そんな少しの時間でも一緒にいることができてうれしかった。

病院の前まで来ると車を路肩に停車させた。

「送ってくれてありがとう。雄飛は仕事頑張ってきてね」

「ああ。今夜は遅くなっても帰るから」

「うん。待ってる」

 私は車を降りると歩道から雄飛を見送って病院へ向かった。