「鍵閉めて来るわ」


そう玄関に行こうとする篤に



「なんで?
なんであんな風にお母さんにお金渡したりするの?」


咎めるように、言ってしまう。


篤の母親は、私が思う最低な部類の母親だと思う。


自分の子供にお金の無心するなんて、最低も最低。



「あのババア病気で。
一年くらい前に胃癌で手術したんだが、最近、また再発したとかで手術して。
どうせ、もうあんま長くねぇだろうし。
あのババア、なんでか捕まえる男は金のねえような奴ばっかで」


篤や、篤のその母親の事情は分かったけど。


「けど、なんで篤が…」



「うっせぇな。
てめぇの父親だって大概じゃねぇかよ!

そのせいで、お前はAVやって…」


篤はそう言うと、悪い、と呟くと、私から顔を逸らした。


別に怒っているわけではないけど、
私は自分の部屋へと行く。


これ以上、篤と言い合いたくないから。


そんな私に、花子が付いて来てくれた。


花子を抱きながら、床に座った。


なんとなくだけど、一晩経てば篤とは元に戻れるような気がする。


私のこの部屋があって良かったと、
床に寝転んだ。