LOVEPAIN⑦シリーズ全完結しました
再び成瀬の元へと戻ると、モモさんの姿は無くて。


成瀬は廊下の壁に凭れるように立っていた。


「ナツキはどうだった?」


私にそう訊く成瀬は、
成瀬自身はナツキに会いに行く気はないのだろうな。


「うん。体はもう大丈夫みたいだった」



その心はボロボロで、
今も、ナツキが心配で仕方ない。



「帰るなら、送って行く。
今、モモは点滴受けてて、一時間くらい暇だから」


「はい」


そう答えた時に、私の鞄の中のスマホが鳴る。


連絡して来たのは、見なくても篤だと思う。


私がスマホを手に持つと、成瀬が私のスマホを奪った。


「篤、俺だけど分かるか?」


そう言っていて、私は一体成瀬が篤に何を言うのか、焦りのような気持ちが湧く。



「実は、広子とS病院に居て。
モモが自殺未遂して運ばれて」

成瀬は、私に伝えたように、篤にそう伝えている。



「ああ。大丈夫。
ほら、広子モモと仲良かったから。
俺も気が動転してたし、なんでか広子に連絡してしまって。
そしたら、広子は慌てて病院に来てしまって。

ああ。そんな感じ」


ただ、成瀬は篤にはナツキの事は伝えない。


篤からの着信を見て、篤になんて言おうかと思っていたので、
成瀬がそうやって篤に伝えてくれて助かった。


「じゃあ、今から広子送って行くわ」

成瀬はそう言って、電話を切った。

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