それからずっと私の心からあの男の、中野美由紀の夫の目が出て行ってくれない。あの目は私に訴えていた。私を責めていた。

―そんなこと私に言っても仕方ないじゃないかー
 そう思いながらも、あの男の目が私を捕らえて離さない。

 そのことがあった週末、私はこのことを春子さんに聞いてもらいたくて店に向かう。
 
 あの初めての日以来、春子さんとこのての話をしたことはない。私が話せば春子さんは聞いてくれただろうけれど。
 でもその日は、どうしても春子さんに聞いてもらいたかった。私はどうしたらいいのだろう、混乱し動揺した私は、とにかく春子さんに会いたかった。