―どうしようー
 なすすべなく時間が過ぎ、九月末の給料日の日が来た。
 夫は毎月決まった額を現金で生活費として私に渡してくれていた。だから、今日こそはそのお金を渡す為に帰って来るはず。
―今日こそは帰って来てくれるー
 そう確信した私は、夫の好きな炊き込みご飯を作って待つ。
 
 夕方五時、退勤時間だ。
 でも、給料日はだいいたい飲みに行ってから帰って来たから、帰宅は早くても九時頃だろう。
 
 九時、外に音がする度にドアの前まで行く。
 
 十時、玄関の外を覗いてみる。

 十一時、玄関の外で立って待つ。
 
 十二時、終電の時間に合わせて、駅までの道を歩いてみる。
 暗闇の中に夫の姿を探す、暗闇の中から夫の笑顔がひょいと出て来るような気がする。
 どこまでも続く暗闇を独りで歩く。