リビングに座ってその封筒を眺める。

ー三万円ー
 これの意味することを考える。
 これに託した夫の想いを考える。

 そうか、夫に取って私は三万円の価値の女なのだ、私たちが出会ってからの二十五年は、三万円に置き換わるものだったのか。

そう思いながらも、夫はもっと何かをこの封筒に託したはず、そんな想いが抑えられなくて、封筒を頬にあてて夫の温もりを感じたいと思ってしまう。

―惨めだ、私は馬鹿だー