王子と姫の狂おしい愛
「あ…待てよ!俺から放れるな!まだ9時にもなってねぇよ!?二階堂が来るの9時半だろ?」
慌てて、抱き締める力を強める琥珀。

「琥珀が、ワガママ言うからでしょ?
それにシャワー浴びたい」
「じゃあ…風呂行こ?」
シーツごと椿姫を抱きかかえた。

シャワー中も、浴槽の中でも…琥珀は椿姫から離れず、キス責めばかりしている。
「くすぐったい…琥珀……」
「でも…気持ちいいでしょ?
もっともっと愛し合おう…!」
「ん……やぁ…」
「凄っ…声、響くね……
椿姫の声…ほんと、可愛い……興奮する…」
「ほんとに…やだ……」
「わかったよ…これ以上は、のぼせるしね……」

風呂場を出てソファーに座っていても、やっぱり琥珀は椿姫を後ろから抱き締める。
椿姫の迎えが来るギリギリまで、けっして離さなかった。

21時半ちょうどに、椿姫の執事・二階堂が椿姫の迎えに来た。
「椿姫様、お迎えにあがりました」
「えぇ…ご苦労様。
じゃあ…また明日ね、琥珀。
パーティー会場で、待ってるね!」
玄関先で、ニコッと微笑む椿姫。
琥珀の頭を撫でる。
その手を掴み、手の甲にキスをした琥珀。

「あんま、子ども扱いすんなよ!お姫様」
「子ども扱いしてないわよ?王子様。
でも、年下には変わりないでしょ?」
「うるせー!三つしか変わんねぇじゃん!」
「フフ…そうね。
でも、ワガママばかり言ってる琥珀は、子どもみたいよ?」
「だって、離れたくねぇんだもん!」

「椿姫様、もうそろそろ出ないと……
奥様に叱られますよ?」
「あ、そうね。じゃあ…ほんとに明日ね?琥珀」
「うん…後から電話する!」
「うん」


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