王子と姫の狂おしい愛
琥珀の部屋に着くなり、ベットに押し倒された椿姫。
「ちょっ…琥珀!」
「覚悟しててって言ったじゃん!
抱かせてよ!」
「今は嫌……
それに、川下さんが紅茶持ってきてくれるんでしょ?琥珀がお願いしてたじゃない?」
「あーそうだった……余計なこと言ってしまった……」
「ソファーに座って、待ってようよ!」
「うん」
ソファーに並んで座る。
ぴったりくっついている、琥珀が椿姫の頬を撫でながら、うっとりして言った。
「椿姫…綺麗だね……」
「フフ…ありがと!琥珀も素敵よ!仕事はどう?慣れた?」
「うん、もう…すっかり」
「そう…ねぇ、琥珀…」
「ん?」
「会社で…女性社員に声かけられたりするの?」
「………気になるの?」
「気に…なるよ……」
「かけられるよ」
「え?そ、そうよね…琥珀は“王子様”だもんね…」
「フフ…」
「何?」
「椿姫、可愛いなぁって思って…!」
「は?」
「ヤキモチ妬いてくれてるんでしょ?
可愛い~」
「そんなことないよ…琥珀とお付き合いするって決めた時から、覚悟してたから大丈夫よ…!」
「大丈夫にならないでよ……」
「え……?」
「もっと、もっと…ヤキモチ妬いてよ!
椿姫がヤキモチ妬いてくれるなんて、凄く嬉しい…!」
頬を撫でていた手を、今度は口唇に移す。

「椿姫がヤキモチ妬いてくれたら、俺が“椿姫だけを愛してるよ”って言って、いっぱいキスしてあげる。
この可愛くて柔らかい口唇に……」
そう言って、口唇を重ねた。
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