王子と姫の狂おしい愛
コンコン━━━
「失礼いたします」
川下が、紅茶を運んできた。
「あ…///す、すみません!」
琥珀と椿姫のキスシーンをちょうど見てしまい、慌てて目を反らす。

「んーー!」
川下が入ってきた為、口唇を離そうと椿姫が琥珀の胸をドンドン叩く。
その両手を掴んで、ソファーの背に押さえつけた琥珀。
「ンンン……」
だんだん頭がボーッとしてくる、椿姫。
目がトロンとしてくる。

「……椿姫…エロい顔……ヤバい…綺麗…」
「やだ……川下さんがいるんだよ…?」
「ダメだよ?俺以外の人間のこと……考えるなよ…
俺だけを見て?感じて?」
鼻と鼻がくっついた状態で囁かれる。
琥珀の心地よい声が、椿姫を酔わせる。
「だめぇ……」

「フフ…可愛い声…!
ほんと…ヤバいくらいに…愛しい……」

二人の甘い雰囲気に、川下の中で何かが反応する。
紅茶を準備していた川下の手元が狂う。
川下は手が滑りガッシャーンと音がして、カップをテーブルから落とした。
「キャッ…!
……あっつ…!!!」
ちょうど椿姫の脛の辺りに紅茶がかかった。

「椿姫!?」
「申し訳ありません!!!」
川下がフキンを持ってくる。
そのフキンを川下から、奪うように取った琥珀。
椿姫の足を優しく持ち上げ、紅茶を拭き取る。

「お前!何やってんだよ!!?
椿姫…!?大丈夫!?
赤くなってんじゃん!」
「椿姫様、申し訳ありません!
私…どうすれば……」
「大…丈夫ですよ…!」
「井高呼んでこい!!」
「は、はい!」
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