王子と姫の狂おしい愛
椿姫は、一気に涙腺が緩んだ。

琥珀の匂い、体温、抱き締める力の強さ。
放れたくないと思う程の愛情、川下の存在、自分の母親のせいで結婚できないこと………
色々な想いが、溢れて止まらなくなっていた。

「……っつ…琥珀…!」
椿姫も必死にしがみついた。

どうかこのまま……時間が止まってほしい………
そう、願っていた。

ソファーに座った琥珀の膝に向かい合って座っている、椿姫。
琥珀のキス責めにあっている。
「止まった?涙…」
「うん…」
「そんなに会いたかったの(笑)?
俺に…」
「会いたかったよ…」
「椿姫?」
「私だって…いつだって会いたいんだよ?
だから、今日みたいなこともうしないで?」
「うん…わかった。ごめんね……」
「琥珀」
「ん?」
「もっと…キス、して…?」
「うん…もちろん、いいよ。
でも、止まんないかも?」
そう言いながら、再度キスをする。

「ん…今日、ね……泊まっても…いい?」
「え?」
びっくりしてキスをしていた口唇を離す、琥珀。
「小夜が協力してくれるって。
今日、小夜のとこに泊まることになってるの。
二階堂が上手く話してくれるみたい。
だから、琥珀がいいなら…泊まってもいい?」
「マジで!?いい!!泊まってけよ!
なんなら、ずっとこのままここにいてよ!
嬉しい~椿姫と一緒にいれる!
どうしよっか?今から」
琥珀はまるで、子どものようにはしゃいでいた。

「愛し合いたい」
「え……?椿姫…?」

「琥珀に…抱かれたい…」
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