「琥珀様よ~」
「素敵~!会社でもとっても凄いんだから!」
「早くうちの課に来ないかしら~?」
「丸一年かけて、全部の課を回るんでしょ?凄いわよね~」
「大学でもトップクラスだったもんね…!」
みんなが口々に話している。

琥珀は、そのみんなの声にうんざりしていた。
とにかく早く“椿姫に会いたい”とばかり考えていた。

「あ…椿姫様だ…」
「やっぱ…綺麗……」
その声に琥珀は、会場の扉を見た。
「は━━?なんだ、あのドレス……
おもいっきり肩出てんじゃん!どこが“大丈夫”だよ!?」
琥珀は自分のジャケットを脱ぎながら、椿姫に近づいた。
そしてそのジャケットを、椿姫の肩にかけたのだ。

「え…?琥珀?」
「このドレスのどこが大丈夫なの?
肩出てるじゃん!鎖骨も……」
「でも琥珀が言う通り、胸と丈と背中…クリアしてるよ?」
「肩や鎖骨も見えてるでしょ?袖があるのを着ればいいだろ?」
「そうだけど、可愛くて…着たかったの…!
似合わない?」
上目遣いで見る、椿姫。

「可愛いに決まってる…!
可愛すぎて、今すぐ連れて帰りたい!」
「ほんと…!?琥珀に可愛いって言ってもらわないと意味ないから……」
「俺の為?」
「当たり前でしょ?
琥珀に見せたくて、いつも選んでるのよ!」
「そっか…そうだよね……!」
「だから、ジャケット返すね!」
「は?それとこれとは話は別だろ?」

「椿姫様、これを……」
二階堂が椿姫に、ショールを渡す。
「ありがとう!さすが、二階堂ね…!」
「いえ…///」
ショールをかける。
「琥珀、これならいいわよね?」
「………うん…」