LOVEDOUBT ホスト×女子高生


「横、いい?」


ソファーに座る私の横に、
静かにナツキは腰を下ろす


ふっ、と香る香水の匂い


その匂いに釣られるように、私は横に居るナツキに目を向けた



髪色は明るいハニーブラウンで、
少し長めの前髪の下はくっきり二重の切れ長の目


さらに視線を下げれば、
高い鼻梁に、口角の上がった赤く艶のある唇



ナツキのその、人形のように美しい容姿に、思わず息が止まる


事前に、店の外に飾ってある写真や、盗み見た興信所が作成した報告書でその容姿が端麗な事を知っていたけど




「どうしたの?」


そう言ってクスクスと笑うナツキは、
私が今どうして驚いているのか、その理由を分かっているだろう


それが分かるから、あえて私は誤魔化さず素直に口にした


「ナツキがカッコ良すぎて、ビックリして驚いたの」



「俺の事知ってたから指名したんじゃないの?
この店来るのは初めてみたいだけど」



「店の表の写真とかでは見たけど、
実物は想像以上にカッコ良くて。
ほら、ああ言う写真って、修正とかしまくって、実物よりよく写ったりするでしょ?」



「なるほどね。
確かに俺の写真は修正してないかも?
それは俺は知らないけど」



見れば見る程、ナツキの顔は整っている


芸術品のようにずっと見ていたくなってしまう



ジッと見ている私の視線を、ナツキは受け止めるように私の目を見る


「店の表の写真とかで俺を見たって言ってたけど、

その‘とか’って?」



「え?
えっと…」


思いがけない質問に、困ってしまう


ナツキはそんな私を、楽しそうに見ている



この人、たぶんSだな



「ま、いっか。
それより何飲む?」



「あ、うん。
えっと、何にしようかな…」



とりあえず、話は逸れたみたい

ただ、またいつそれを訊かれるか分からないけど


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