オフィスの華(令和版)Episode.0~スノードロップ~
歓迎会
栗原さんの出社一日目が終わった。最初はぎこちなかった彼も次第にコツを掴んだのか私よりも第一営業部の雰囲気に馴染み、仕事にも慣れていった。

本日は金曜日。
彼の歓迎会が催される。
私は部長からその話を訊いた。
「お前…また…外されたのか?」

「みたいですね」

私は気にしてない振りをして笑って返した。

「困った連中だな…川野たちは…」

部長は頬杖を付き、困惑した顔色を宿し、私を見る。

「まぁ、俺の隣に居ればいいさ…小畑」

「あ…はい」
宇崎さんの歓送迎会の時も、私は秘書課の人間だと言うだけで呼ばれなかった。
川野先輩たちは私を目の敵にしていた。

彼女たちは制服着用の中。
秘書の私だけが私服姿だし、浮いてると言えば浮いている。

その上、顔は自分で言うのはなんだけど美人。
部長を始め男性陣は新入社員の私には甘く可愛がる。そんな男性陣の態度が相まって、同性の先輩たちのやっかみを受けていた。

< 10 / 96 >

この作品をシェア

pagetop