オフィスの華(令和版)Episode.0~スノードロップ~
挑発キス
彼は一瞬私と目を合わせ、ハッとした顔になった。
でもすぐに表情を引き締めて、耶刃さんと向き合う。

三人が揃うのはあの資料庫の時以来。

私の緊張が走り、カラダに変な力がこもった。

「なんだ?」
二人は何食わぬ顔で仕事の話を交わした。

「…来月の勉強会の企画書です」

「サンキュー」

「俺は奈央から別れの言葉を訊いていない。よって、交際は続ける…」

「自分の方からは別れを切り出すコトはしないんですね」

「俺は彼女に惚れてんだ…どうせお前は…復讐の道具にしか思っていないクセに…」

「止めてください!!」

言い合いを続ける二人を制した。

突然、栗原さんは私を抱き締めて、耶刃さんの前でキスを落とした。
恋人の前で他のオトコにキスされるシチュエーションはスリルがあり、自然とカラダも高ぶった。

噛みつかれるように唇を貪られ、背徳感を味わう。



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