地味同盟〜地味男はイケメン元総長〜
三章 中間テストと告白

テスト勉強


「――り――あか――灯里ってば!」

「っ! え?」

 強く名前を呼びながら揺らされてビクリと体を震わせた。


「美智留ちゃん、もう少し静かに……」

 さくらちゃんの抑えた声で、美智留ちゃんに呼ばれていたことを知った。


 GW最終日の今日は沙良ちゃんの部活も無いので、みんなで集まって図書館でテスト勉強をしようと前から約束していた。

 何だか最近ボーっとすることが多いあたしは、メイクは地味子っぽさを残しつつもしっかりやったけれど、服装にまで気を回せなくて今日はTシャツにシンプルなジーンズと手を抜いて図書館に来た。

 そうして皆と合流して勉強をしていたのだけれど……。



「ごめん」

 とさくらちゃんに小さく謝った美智留ちゃんは、あたしに向き直って眉を寄せる。

「でも灯里がボーっとしてるからだよ? 勉強、全然はかどってないみたいじゃない」

 言われて手元のノートを見る。
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