地味同盟〜地味男はイケメン元総長〜

かどわかし

 しばらくして合流したあたし達は、園内にあるレストランで昼食を取り午後の目的地へと移動することにする。

 その前に、と皆でお手洗いを済ませようと園から出てすぐにあるトイレに来ていた。


「はぁ~でも本当、仲直りしてくれて良かったよ。あのままギスギスした雰囲気で今日一日終わりたくなかったしね」

 手を洗った沙良ちゃんはそう言ってさくらちゃんを見た。

「ごめんね。でも元々午前中のうちには許すつもりだったから」

 だから許して、と手を合わせるさくらちゃん。


「で? その後親密になって名前で呼ぶようになったってか?」

 ニヤニヤ笑って美智留ちゃんがさくらちゃんをいじる。

 頬をピンク色に染めたさくらちゃんは慌てた。


「そ、それは日高くんが名前で呼べば? とかって言うから!」

 なんて言い訳をするけれど、全然言い訳になっていない。

 陸斗くんがそう言ったって、実際に“司くん”“さくらさん”と呼ぶことを決めたのは本人達だ。
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