こんな私でも貴方に愛されますか?
両親は地元では有名な
イケメンと美女カップルで

姉はもちろん絶世の美人
モデルなんかをやってたりしてる。


妹は愛らしく大きな瞳がウルウル
とうとうスカウトされたとか


美しい家族の中での私の立ち位置


それは 訪れた人が一瞬言葉を探す。


「羨ましいね。
美しい家族ってここの家以外
どこにあるの?って感じだよね。」


そう言い放った後に気づかれる存在


お客人の困惑した様子が
子供ながら申し訳ない気持ちになる



この人 今きっと私を褒める言葉を
必死に頭の中で探っている。


「あら これはまた愛嬌のあるお嬢さん。」


はいはい
出た出た 私への賛辞は 愛嬌


「はい 愛嬌はあるんですよ。」


なんて困惑する客人を救ってやる。



ニッコリ微笑むと罪悪感も消えるのか
その場は笑いに包まれる。
勿論 私もケラケラ笑うしかない。


「いやー明るくて良いね。
女の子は愛嬌が一番だよ。」


そう?愛嬌なんてとってつけたような
この家の中ではね。

両親がそんな私を見ながら


「愛恵は我家の太陽だね。」
そう目を細める。


うん 愛されてる
愛されて育ってきた。


笑うと愛してもらえるから。
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