主要駅から地下鉄で3つ目の駅近くにあり、充実設備のフットサルスタジアムに到着した途端、純さんから着信が入った。

急いで鞄からスマホを取り出し画面をタップすると、彼の不機嫌な声が聞こえてきた。


「……今着いたとこ」


《じゃあ、さっさと観客席の一番下に来い》


早口の命令口調に、返事をする間もなく切られてしまった。

不機嫌そう……遅れたから?

だって突然の上、金曜は来ないって言ってるのに日向君に懇願されて渋々来たのよ。

せっかく桜のお陰で幸せ満開気分になれたのに、一気に気分が萎んでしまった。

私は、根負けしてOKした事に大きく後悔し大きな溜息を付いた。

しかも観客席なんて最悪!

絢から返信もないし玲は遅番で遅れて来るし、1人なんて憂鬱 。

しばし玄関正面の黒い円形ソファーに座り込み左のコートを呆然と見渡すが、覚悟を決め立ち上がった。

重い足取りで玄関右の螺旋階段を上がり、奥のA面コート観客席の一番下に心細さ満載で座った。

すると目敏い人達が、ヒソヒソ話を始めた模様。

小さな溜息を落とすと同時に上方から馴染み深い声に名前を呼ばれ、瞬時に心が軽やかになる。