__第〇回全国高校サッカー選手権大会。

高校男子サッカー部の頂点を決める決勝戦。

色とりどりのユニホームを着たサッカー少年達を中心に満員の観客席は大いに盛り上がりを見せていた。

いくら熱気に包まれていようが、一月半ばに差し掛かる真冬の競技場は風通しが良くとても寒い。

親友 絢に言われた通り完全防備で来たにも関わず、じっと座って居られない程底冷えが酷い。

元々寒さに滅法弱い私は、試合に集中出来ずにいた。

絢には申し訳ないけれど、早く終わる事ばかり願っていた。

サッカーには全く興味ないけれど、私の一番の理解者 絢の彼の応援の為、二人夜行バスに揺られて到着したのは朝の六時。

お昼過ぎから始まった決勝戦は、やっと前半三十分で両チーム無得点のまま。

流れは、彼のチームにあるけれどなかなか点が入らず、隣の絢は真剣な眼差しで必死に彼のチームを応援していた。

私も冷たい爪先を動かしながらボールの行方を追い続けるが、試合前に済ませたにも関わらずまたトイレに行きたくなってしまった。

暖を取る為ホットココアを飲んだ事に後悔しながら用を足し再び席に向かうが、なんと席がわからなくなってしまった。