【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

私を片手でぎゅっと抱き寄せると、ゆっくりと唇にキスを落とす。

この瞬間、何度味わってもドキドキする。   けれど、こうやって海のマンションに泊まりに来て海のベッドで眠ってもキス以上の事は何も起こらない。

それは私のマンションに海が泊りに来た時も変わりはない。


あっという間に隣からすぅすぅと安らかな寝息が聴こえてくる。
本当にこれでいいのかしら?! とはいえ自分の口からは言い出せない。
こういうきっかけって一体どうやって作ればいいの?そんな事を考えてしまう自分が嫌だ。


大体少女漫画やドラマのシチュエーション的にここで強引に迫るのが男なのではないのだろうか。
’俺の物になれよ’とか

’お前を抱きつぶしたい’なんてくっさい台詞を吐いて……
しかし一向に海と私はそういう雰囲気にならない。


もしかして私って色気が足りない……?確かに身長は必要以上に伸びたけれど、胸はBカップから一向に成長を遂げる事はなかった。

そういえば妹のルナは背が小さいのに胸だけは異常に成長していた。
どうして姉妹だというのにここまで私達は違うのだろう。

そうして今日も私の悶々とした夜が更けていくのだ。

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