◇6◇ *SIDE海* 結ばれる意味。




猫の様なつりあがった瞳を真っ赤に染め上げてレナが俺のマンションに現れたのは、喧嘩をした二週間後だった。

その間俺は生きた心地がしない程落ち込んでいた。  仕事ではバレないように普段通りを装ってみたけれど、ほっくんにはバレバレだったらしい。

ほっくんにレナとの間にあった一部始終を話した。 心配を掛けまいと弓香さんと食事に行った事を隠していた事。 それがバレてしまってレナが怒ってしまった事。

連絡はずっと無視されている事も。

俺が間に入るよ、と言ってくれたのは昨日の仕事終わりの事であった。 ほっくんが間に入る事でレナの怒りは収まるのだろうか、そう思ったけれど昨日の今日でレナは俺に会いに来てくれた。

さすがはほっくんと言った所か。 レナの頑なな心を柔らかくさせるほっくんには少しだけ嫉妬してしまうけど。

けれど良かった。あのまま終わりじゃなくって、本当に良かった。

子供の様に泣きじゃくるレナを何とか家の中に入れてソファーに座らせたが、彼女は顔を伏せてシクシクと泣くばかりだった。 これほどまでに悩ませていたかと思うと、心が痛い。

「レナちゃん、珈琲飲む?それともホットミルク?ココアもあるよ」

「………ココア…」

「おっけー。今準備するから待っててね。もー…そんなに泣かないでよー…」